POP3, IMAP, SMTPの選択と特徴


メール送受信を支える「POP3」「IMAP」「SMTP」などのプロトコルは、それぞれ異なる仕組みと役割を持っています。本記事では、それぞれの違いや適切な使い分け、設定時の注意点について分かりやすく解説します。


  1. 受信方式の比較(POP3 vs IMAP)
  2. 送信方式:SMTPとは
  3. ポート番号と暗号化の対応表
  4. 認証方式の種類と選び方
  5. よくある接続エラーとその原因
  6. まとめ & 次のステップ

1. 受信方式の比較(POP3 vs IMAP)

POP3 と IMAP はメールの受信に使われるプロトコルで、利用環境に応じて適切に選択する必要があります。

特徴POP3IMAP
保存場所クライアント端末サーバー上
同期の挙動ダウンロード後削除が基本サーバーと常時同期
複数端末利用不向き向いている
サーバー負荷軽いやや高い(メールを保持)
オフライン対応ダウンロード済み分は閲覧可部分的に対応(設定による)

おすすめ:IMAP(複数端末利用やWebメール併用に最適)


2. 送信方式:SMTPとは

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、メールの送信専用プロトコルです。

項目内容
用途メール送信
認証方式SMTP AUTH(認証あり)必須
暗号化対応STARTTLS / SSL に対応
使用ポート例587(STARTTLS)/465(SSL)

ポート25の利用は非推奨(ISP制限やスパム扱いのリスク)


3. ポート番号と暗号化の対応表

プロトコル平文接続STARTTLS(推奨)SSL/TLS(安全)
POP3110110(STARTTLS)995
IMAP143143(STARTTLS)993
SMTP25587(STARTTLS)465

🔐 セキュリティ強化のため、常に暗号化通信を使いましょう。


4. 認証方式の種類と選び方

認証方式特徴推奨度
なし(平文)危険。パスワードがそのまま送信される
LOGIN一般的な形式。Base64エンコードで送信
CRAM-MD5パスワードをハッシュ化して送信
OAuth2パスワードを使わず、トークンで認証(Gmail等)

※共用サーバーでは「LOGIN + TLS」構成が主流。


5. よくある接続エラーとその原因

症状原因と対処
メール送信ができないSMTPポート(587/465)がブロック/認証設定が無効
受信は可能だが送信が失敗SMTP AUTH が無効/サーバー設定と一致しない
「ユーザー名またはパスワードが違う」大文字小文字のミス/ロック状態/全角文字の混入
SSLエラー自己署名証明書/ホスト名の不一致/時刻設定の不整合

6. まとめ & 次のステップ

  • POP3 と IMAP は用途に応じて選択:1台なら POP3、複数端末なら IMAP
  • SMTP送信は必ず認証と暗号化を併用
  • ポート設定(IMAP: 993 / SMTP: 587 or 465)を確認
  • 誤設定によるトラブル回避のため、マニュアル設定を推奨
  • 今後の設定ページでは、転送・自動返信・フィルタ設定の応用にも触れていきます

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