SPF/DKIM/DMARCの具体的なレコード設定


迷惑メール(スパム)やなりすましメールを防ぐには、送信ドメイン認証技術(SPF/DKIM/DMARC)を適切に設定することが不可欠です。このページでは、各技術の役割と設定例、レンタルサーバーでのDNS登録手順を紹介します。


  1. SPF/DKIM/DMARCの概要
  2. SPFレコードの設定方法と例
  3. DKIM署名の有効化とDNS登録
  4. DMARCポリシーの設計と登録例
  5. 設定確認とテスト方法
  6. まとめ & 注意点

1. SPF/DKIM/DMARCの概要

技術名役割
SPF(Sender Policy Framework)「このIPアドレスから送信していいか」を検証
DKIM(DomainKeys Identified Mail)「改ざんされていないか」を署名付きで保証
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)SPF/DKIMの結果をもとに「どう扱うか」を決定し報告

これらは DNSのTXTレコードとして設定します。


2. SPFレコードの設定方法と例

SPFは送信可能なサーバーのIPやドメインを明示します。

一般的なSPFレコード例:

v=spf1 include:example.jp ~all
部分意味
v=spf1SPFバージョン指定
include:example.jpexample.jp のSPF設定を継承
~allそれ以外は「SoftFail」(基本拒否)

レンタルサーバーでの設定手順(例:お名前.com、さくらのDNSなど)

  1. 管理パネルにログイン
  2. 「DNS設定」画面を開く
  3. @(またはドメイン名)に対して「TXTレコード」を追加
  4. 記述例:
    • ホスト名:@
    • 種別:TXT
    • 内容:v=spf1 include:xxx.ne.jp ~all

3. DKIM署名の有効化とDNS登録

DKIMは、メール本文やヘッダに対する署名をDNS上の「公開鍵」で検証する仕組みです。

一般的な設定手順:

  1. サーバー側で「DKIM署名」を有効化(cPanelでは「Email Deliverability」など)
  2. 公開鍵のDNSレコードが表示されるので、内容をコピー
  3. DNS設定画面で以下のように追加

記述例:

種別ホスト名値(TXT内容)
TXTdefault._domainkey.example.comv=DKIM1; k=rsa; p=MIIBIjANBgk...

⚠️ 「ホスト名」にdefault._domainkeyなどが必要な点に注意。


4. DMARCポリシーの設計と登録例

DMARCは、SPF・DKIMの検証結果に基づき「受信側でどう処理するか」を決めます。

基本形式:

v=DMARC1; p=none; rua=mailto:report@example.com; pct=100
パラメータ意味
v=DMARC1バージョン指定
p=none / quarantine / rejectポリシー指定(検疫/拒否)
rua=mailto:…検証結果を送信するメールアドレス
pct=100ポリシー適用対象の割合(%)

DNS登録例:

種別ホスト名値(TXT内容)
TXT_dmarc.example.comv=DMARC1; p=quarantine; rua=mailto:dmarc@example.com

5. 設定確認とテスト方法

設定後は必ず検証しましょう。

  • https://mxtoolbox.com(SPF / DKIM / DMARC チェック)
  • https://dmarcian.com(DMARC解析)
  • テスト送信先:
    • check-auth@verifier.port25.com に空メールを送信すると検証結果が届きます

6. まとめ & 注意点

  • SPF/DKIM/DMARCは「DNS設定によって効果が決まる」ため正確な記述が必要
  • SPFはメール転送時に破綻する場合があるため、DMARCやDKIMと併用推奨
  • DMARCはまず p=none から始め、レポートを確認しながら quarantinereject へ段階的に強化
  • 誤設定すると正当なメールが届かなくなるリスクがあるため、テスト必須

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