レンタルサーバーでの迷惑メール対策として、コントロールパネル(例:cPanel、Plesk、独自UIなど)に搭載された「スパムフィルタ機能」を活用するのが一般的です。ここでは、代表的な操作画面をもとにスパム判定の強化・自動振り分け・ホワイトリスト管理の基本設定方法を解説します。
1. スパムフィルタの有効化と基本設定
多くの共用サーバーでは「SpamAssassin」や独自フィルタが初期状態で無効化されている場合があります。以下の手順でまず有効化を行いましょう。
【例:cPanel の場合】
- cPanel にログイン
- 「Email」→「Spam Filters(スパムフィルタ)」を開く
- 「Apache SpamAssassin」の有効化スイッチをONにする
✅ スイッチがONになっていれば、メール受信時に自動でスパムスコアが付加されます。
2. スコア閾値の調整(SpamAssassinなど)
スパム判定は、「メールヘッダ・本文の特徴・リンクの有無」などから算出される“スコア”に基づいて行われます。通常は 5.0点以上をスパムとみなしますが、調整が可能です。
| スコア値 | 特徴 |
|---|---|
| 1.0〜3.0 | 非常に厳しい(正当なメールも弾く可能性あり) |
| 4.0〜5.0 | 標準(推奨) |
| 6.0以上 | 緩め(スパムが通過しやすくなる) |
設定例(cPanel):
- 「Spam Threshold Score」のスライダーや入力欄で調整
- 推奨:5.0 → まずは4.0程度に下げて様子見するのが効果的です
3. ホワイトリスト・ブラックリストの運用
迷惑メールの誤判定を防ぐため、信頼できる送信者をホワイトリスト(許可リスト)に、迷惑な送信者をブラックリスト(拒否リスト)に登録できます。
【操作例】
- 「Additional Settings」→「Whitelist/Blacklist」などの項目から追加
- 記述例:
*@trusted.com→ trusted.comドメインからの全メールを許可spam@example.net→ 特定の迷惑アドレスを拒否
📌 補足:ドメイン全体 vs アドレス個別で登録方法が異なるため注意
4. 自動振り分け・破棄のルール設定
スパムメールの扱いは以下のようにカスタマイズできます。
| 設定方法 | 内容 |
|---|---|
| 自動振り分け | スパムメールを「spam」フォルダへ移動(メールクライアントで確認可) |
| 自動削除 | スパム判定されたメールを即時削除(注意:誤判定メールも削除) |
| フィルタールール | 特定の件名/差出人に応じて任意のフォルダへ移動や転送が可能 |
⚠️ 自動削除は誤判定時に確認できなくなるため、まずは「spamフォルダ振り分け」がおすすめです。
5. まとめ & 次のステップ
- スパムフィルタ(SpamAssassinなど)を有効化し、スコア閾値を調整するだけで精度が向上
- ホワイトリスト・ブラックリストを活用し、正当なメールの誤判定を防止
- 削除ルールは慎重に運用し、まずは自動振り分けから始めるのが安心
- 高度な運用には「件名・ヘッダ・本文フィルタ」などの条件追加も可能
👉 「SPF/DKIM/DMARCの具体的なレコード設定」
👉 「Gmail/Outlookとの連携」
